歴史総合パートナーズ⑲
パリを歴史する―市庁舎と自治―
| 著者・編者 | 高澤 紀恵 |
|---|---|
| 判型 | A5 |
| ページ数 | 96ページ |
| 定価(税込) | 1,100円 |
| ISBNコード | 978-4-389-5018-7 |
| 発行年月日 | 2025/11/21 |
内容紹介
幕末にヨーロッパを訪れた福沢諭吉は,日本の「都」「城下」と西洋の「シティ」「タウン」の間に横たわる違いに気がつきました。福沢が見出した違いとはなんだったのでしょうか?その違いは一体,どこから来たのでしょうか?こんな「問い」をたずさえて,パリの歴史に旅立ってみましょう。セーヌ河畔のパリ市庁舎に視点をすえ,自治や自治体のあり方について,歴史のなかで考えてみたいと思います。
目次(内容と構成)
はじめに:福沢諭吉の戸惑いから
1. 近世の地図を読む
(1)描かれたパリ
(2)三つの顔をもつ都市
2. 市庁舎建設を読む
(1)「柱廊の家」
(2)市庁舎を建てる
(3)市庁舎,完成する
3. 革命の舞台を読む
(1)蜂起の場
(2)フランス革命と市庁舎
(3)市庁舎とナポレオン
(4)奪還される市庁舎
4. 市庁舎,燃える
(1)ナポレオン3世とパリ
(2)「共和政を宣言する場は市庁舎だ!」
(3)コミューンの日々
5. 再建される市庁舎
(1)コミューンと日本語世界
(2)市庁舎再建計画
(3)落成式から考える
おわりに
◆著者略歴
高澤紀恵(たかざわのりえ)
1955年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在国際基督教大学名誉教授。専攻はフランス近世史。
主要著書・論文
『近世パリに生きる—ソシアビリテと秩序』(岩波書店,2008年)
『パリと江戸—伝統都市の比較史へ』(吉田伸之,アラン・ティレと共編,山川出版社,2009年)
『伝統都市を比較する—飯田とシャルルヴィル』(吉田伸之,フランソワ=ジョゼフ・ルッジゥ,ギヨーム・カレと共編,山川出版社,2011年)
『新しく学ぶ西洋の歴史—アジアから考える』(南塚信吾,秋田茂と共編,ミネルヴァ書房,2016年)
『建築家ヴォーリズの夢—戦後民主主義・大学・キャンパス』(山﨑鯛介と共編,勉誠出版,2019年)
『「身分」を交差させる—日本とフランスの近世』(ギヨーム・カレと共編,東京大学出版会,2023年)