人と思想 201
小林秀雄
| 著者・編者 | 菅野 覚明 |
|---|---|
| 判型 | 新書 |
| ページ数 | 352ページ |
| 定価(税込) | 1,430円 |
| ISBNコード | 978-4-389-42201-1 |
| 発行年月日 | 10月上旬刊行予定 |
内容紹介
小林秀雄にとって批評とは,作品創造に随伴する自意識の活動を追跡しながら,天才たちの個性・独創性を明らかにする営みであった。小林はこれを,「宿命の主調低音」を聞くという言葉で言い表す。この手法を駆使しながら小林は,ランボー,ドストエフスキー,モーツァルト,ゴッホといった天才芸術家たちの宿命の形に迫っていく。その批評の対象は,芸術家のみならず,ベルクソン,本居宣長といった東西の思想家にまで及んでいる。
昭和という時代の文学・思想は,小林抜きでは考えられないとも言われる。「批評の神様」,「言葉の魔術師」,「教祖」など,小林にはさまざまな称号が奉られている。しかし,そうした大げさなレッテルに覆われた,批評家小林の真価はどこにあるのか。本書は、天才たちの宿命と渡り合いながら二十世紀の日本を生き抜いた小林自身の宿命の形を,その作品に即して丁寧に説き明かした,「普通の解説」の決定版である。
◆著者略歴
菅野 覚明(かんの かくみょう)
1956年,東京都に生まれる。
1979年,東京大学文学部(倫理学専修課程)卒業。東京大学助教授,東京大学教授,皇學館大学教授を歴任。現在,東京大学名誉教授。専攻は倫理学・日本倫理思想史。
著書=『本居宣長』(ぺりかん社),『神道の逆襲』(サントリー学芸賞,講談社),『武士道の逆襲』(講談社),『詩と国家』(勁草書房),『吉本隆明―詩人の叡智』(講談社),『新校訂全訳注・葉隠』(全3冊、講談社),『柳田國男』(清水書院)ほか。
目次(内容と構成)
はじめに――二十世紀日本の宿命
第Ⅰ章 文学への道
生い立ちと少年時代
象徴派詩人との出会い
第Ⅱ章 青春との訣別
批評の原点――『ランボオⅠ』
「地獄の季節」
第Ⅲ章 文壇初登場
批評家としての出発――『様々なる意匠』
「意匠」の楽屋裏
第Ⅳ章 模索の時代
昭和文壇の総浚い――『アシルと亀の子』『Xへの手紙』
作家のリアリズム――『ドストエフスキイの生活』
第Ⅴ章 歴史と自由
尋常時の思想――『杭州』『満州の印象』
美としての歴史――『無常という事』『実朝』
第Ⅵ章 人生という形式
かなしさは疾走する――『モオツァルト』
自我の「巨きな眼」――『ゴッホの手紙』
第Ⅶ章 批評の終焉
未完のベルクソン論――『感想』
ダイモンは沈黙した――『本居宣長』
あとがき
参考文献
小林秀雄年譜
人名さくいん