一般書籍

新装版 人と思想 109

サン=テグジュペリ

著者・編者 稲垣 直樹
判型 新書
ページ数 232ページ
定価(税込) 1,100円
ISBNコード 978-4-389-42109-0
発行年月日 2015/9/10

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内容紹介

人間が空と飛ぶとはどういうことか。飛行機は,原始以来人類を縛ってきた重力という運命から,人間の肉体,そして精神を解放した。飛行機の登場で人間は初めて地上的,日常的な時空を離れ,宇宙的な思想に手が届くようになった。『星の王子さま』の作者サン=テクジュペリはパイロットとして天空を駆けめぐりながら,地上の人間社会を超える倫理と夢と「時間」を創造し,文学作品に定着した。彼が何を考え,何を感じたかを知ることは,二一世紀,そしてその先の時空に向かって飛翔する翼を,われわれ人間に与えてくれることだろう。

目次(内容と構成)

まえがき
Ⅰ 一九〇〇年生まれのパラドックス
   遅れてきた貴族の子
   やすらぎの域――幼年時代
   飛行機との出会い
   パイロットへの道
Ⅱ 砂漠の錬金術
   命がけのフロンティア
   『南方郵便機』は失敗作か?
Ⅲ 文学は飛翔する
   南アメリカの空
   『夜間飛行』のマルチ-フォーカリゼーション
Ⅳ 大地の哲学
   長距離飛行に挑戦
   サン-テグジュペリの政治社会思想
   もう操縦桿は握れない?
   『人間の土地』の行動主義
Ⅴ 崩壊する「大地」を前に
   戦争――決死の偵察飛行
   遠い国アメリカ合衆国へ
   『戦う操縦士』の思想性
Ⅵ サン-テグジュペリ神話の成立
   『星の王子さま』のミステリー
   たとえ撃墜されても
   『城砦』――残されたバベルの塔
Ⅶ 比較文学的位置づけ
   世界文学の中で
   日本におけるサン-テグジュペリ
   推薦の辞
   あとがき
    年譜
    参考文献
    さくいん